こんにちわ!都内の大学病院で働く管理栄養士のyu-monkeyと申します。普段は、患者さんの栄養状態の管理や情報提供を行ったり、患者さんの食事を作ったりしています。
今回のテーマは水溶性ビタミンについて簡単に解説していきたいと思います。
水溶性ビタミンは、私たちの体の健康を支える重要な栄養素の一つです。脂溶性ビタミンとは異なり、水に溶けやすい性質を持ち、体内での貯蔵が難しいため、毎日の食事から継続的に摂取する必要があります。この記事では、水溶性ビタミンの種類や役割、上手な摂取方法について簡単に解説します。
水溶性ビタミンとは?その特徴と役割
水溶性ビタミンの主な特徴は以下の3つです
- 水に溶けやすい
調理中に水に溶け出しやすい性質があるため、過剰摂取のリスクは低いですが、調理方法に注意が必要です。 - 体内での貯蔵量が少ない
毎日摂取しないと不足しがちです。余剰分は尿として排出されるため、継続的な補給が大切です。 - 種類が多い
ビタミンB群(8種類)とビタミンCが主な水溶性ビタミンです。
水溶性ビタミンの種類とその役割
1. ビタミンB群
ビタミンB群は、エネルギー代謝や神経系の正常な機能をサポートする役割を持つ8種類のビタミンの総称です。
- ビタミンB1(チアミン)
- 役割:糖質をエネルギーに変換する
- 食品例:豚肉、玄米、大豆
- 不足すると:疲労感、脚気(かっけ)
- ビタミンB2(リボフラビン)
- 役割:脂質やタンパク質の代謝を助ける
- 食品例:レバー、卵、牛乳
- 不足すると:口角炎、肌荒れ
- ビタミンB3(ナイアシン)
- 役割:エネルギー産生とDNA修復
- 食品例:魚、ピーナッツ、キノコ類
- 不足すると:ペラグラ(皮膚炎、下痢、認知障害)
- ビタミンB5(パントテン酸)
- 役割:脂肪酸の代謝をサポート
- 食品例:レバー、卵、アボカド
- 不足すると:疲労感、イライラ
- ビタミンB6(ピリドキシン)
- 役割:アミノ酸代謝と神経伝達物質の合成
- 食品例:バナナ、鶏肉、じゃがいも
- 不足すると:貧血、抑うつ、不眠
- ビタミンB7(ビオチン)
- 役割:脂質と炭水化物の代謝
- 食品例:卵黄、ナッツ類、カリフラワー
- 不足すると:脱毛、皮膚炎
- ビタミンB9(葉酸)
- 役割:赤血球の生成、胎児の発育を助ける
- 食品例:緑黄色野菜、豆類、オレンジ
- 不足すると:貧血、神経管欠損症(妊婦の場合)
- ビタミンB12(コバラミン)
- 役割:赤血球の生成、神経系の健康維持
- 食品例:魚介類、肉類、乳製品
- 不足すると:貧血、神経障害
2. ビタミンC
- 役割:
- 抗酸化作用で細胞を守る
- コラーゲンの生成をサポート
- 免疫力の向上
- 食品例:
柑橘類、いちご、ピーマン、ブロッコリー - 不足すると:
壊血病(歯ぐきの出血や傷が治りにくい)
水溶性ビタミンの過剰症について。摂りすぎるとどうなる?
水溶性ビタミンは、脂溶性ビタミンと比べて過剰摂取によるリスクが低いとされています。なぜなら、水に溶けやすい性質のため、体に必要以上の量が摂取された場合、余分な分は尿として排出されるからです。しかし、特定の水溶性ビタミンを過剰に摂取すると、副作用や健康への悪影響が生じる可能性があります。
水溶性ビタミンの過剰摂取を避けるためのポイント
医師や栄養士に相談する
特定の症状や健康目的でサプリメントを利用する場合は、専門家に相談して安全な範囲を確認することが重要です。
サプリメントの用法用量を守る
食事からの摂取で過剰症になることはまずありませんが、サプリメントを利用する場合は、推奨量を超えないよう注意が必要です。
必要な量を知る
厚生労働省が定める日本人の食事摂取基準を参考に、適切な量を心がけましょう。
水溶性ビタミンを効率よく摂取するポイント
- 毎日摂取を心がける
体内に蓄積されないため、毎日の食事から摂取することが大切です。 - 調理方法に工夫を
- 水に溶けやすい性質があるため、蒸す、炒めるなど、短時間で調理する方法がおすすめです。
- スープや煮物にすることで、溶け出したビタミンも一緒に摂取できます。
- 生野菜や果物を取り入れる
ビタミンCは熱に弱いので、サラダやフルーツで摂取するのも効果的です。
まとめ
水溶性ビタミンは、私たちのエネルギー代謝や免疫力、細胞の健康維持に欠かせない重要な栄養素です。日々の食事でバランスよく取り入れることを意識し、健康的な生活を目指しましょう!